先日、接着剤の技術情報漏えいについて報じられた記事を読みました。特に気になった点が、サイバー攻撃ではなく、人による情報の持ち出しという点と情報が持ち出されてから発覚するまで長い期間が経過していた点が気になりました。
情報漏えいというと、特別な攻撃や高度な技術によるものを想像しがちです。しかし実際には、日々の業務の中で発生する日常的な行動がきっかけになることもあります。例えば、業務のためにデータをコピーする、手元で作業するために保存する、念のためにバックアップを残しておく、などです。その時は必要な対応だったとしても、その後の管理が十分でなければリスクにつながる可能性があります。
今回の記事を読んで、情報を『守る』だけでなく、『把握しておく』ことも重要なのだと改めて感じました。重要な文書やデータがどこに保管されているのか、誰が利用できるのか、組織として把握できている状態が求められています。必要な情報がすぐに見つかることは業務効率の向上にもつながりますし、万が一の際にも迅速な対応が可能になります。また、どの情報がダウンロードされたのか、どのファイルがコピーされたのかといった利用状況を把握できることも、これからますます大切になっていくでしょう。もちろん、ダウンロードやコピーそのものが問題なのではありません。通常とは異なる利用や想定外の持ち出しに早く気付けることが重要なのです。問題が大きくなる前に対応しやすくなります。
私たちの身の回りにも、「いつか使うかもしれない」と保存したままのファイルや、「どこに最新版があるのか分からない」資料はないでしょうか。こうした状態は、業務効率の低下だけでなく、漏えいや紛失などの情報管理上のリスクにもつながります。
情報管理というと難しく聞こえるかもしれませんが、基本は意外とシンプルです。「重要な情報は決められた場所に保管する」「利用しなくなった情報は整理する」。そして時々、「この情報は今どこにあるだろう?」と振り返ってみることです。
AI活用やデジタル化が進む今だからこそ、「重要な情報がどこにあり、どのように利用されているのかが分かる状態」を維持することが、より重要になっていくのではないでしょうか。
この機会に、自身の業務で扱う情報の保管場所や管理方法を少しだけ見直してみてはいかがでしょうか。(K.T)