電子帳簿保存法令和5年度改正解説と検討の手引き

会員の募集について

コラム

日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)からのお知らせ

本コラムは、JBMIA DMS部会の委員が持ち回りで、文書管理等に関する最近の関心ごとについて記載する不定期掲載のコラムです。
本コラムの内容や意見は、全て執筆者の個人的な見解であり、各委員が所属する組織及びDMS部会を代表する見解ではありません。

2025/05/12

葬儀屋さんの文書・顧客管理システム

先日、地域に根ざした葬儀会社の方とお話しする機会がありました。最近、葬儀業向けの文書・顧客管理システムを導入したそうです。この会社ではこれまで営業担当者がお客様との打ち合わせ内容をメモに残し、本部に持ち帰ってから事務担当者が見積書、発注書、請求書などを作成していました。もし祭壇や供花などに発注ミスがあれば、葬儀当日にお客様に大変な迷惑をかけるだけでなく、地域での信用も失墜しかねないので、時間をかけてチェック作業が何重にも行われていました。葬儀の打ち合わせは夕方から夜にかけて行われることが多く、本部に戻ってからの事務作業を含めると、どうしても残業が増えてしまう状況だったそうです。

この会社が導入したシステムでは、営業担当者が打ち合わせ中に情報を直接入力し、そのまま見積書や発注書を作成できるため、事務担当者による再入力が不要になり確認作業も減ったため、業務の大幅な効率化が実現したそうです。さらに、顧客情報や文書の一元管理が可能になったことで、事前相談にお越しになった見込み客から正式な注文客への移行もスムーズになったとお話になっていました。

葬儀業では、四十九日までに位牌や仏壇、後返し(香典返し)などの「アフターサービス」が売上において重要な役割を果たすとのことですが、従来は葬儀対応の忙しさから、適切なタイミングでお客様にご案内できないことも多かったようです。新システムの導入により、このアフターサービスも効率よく提供できるようになり、売上の向上につながっているとのことでした。葬儀業は需要のタイミングを予測しづらい業種ですが、ひとたび受注した際の対応が、その後の売上や企業の信用に大きく影響することを改めて感じました。

葬儀屋さんもやっぱりビジネスだよなと思っていたところで、お話の最後に、「葬儀業は、あまり好まれる仕事じゃないかもしれませんが、滞りなく葬儀を終えたときにお客様から心から感謝されるのがとても嬉しいんです。」と伺って、少し温かい気持ちになりました。(M.K)

これまで掲載したコラム

年代をクリックすると過去の掲載分が一覧で表示されます。

>> 戻る