「口語訳:どなた様がいらっしゃるのかよくは分かりませんが、おそれ多くてありがたくて、ただただ涙があふれ出て止まりません」
これは平安時代の武士、僧侶、歌人である西行が伊勢神宮にお参りして詠んだ歌で、日本人が古くから森羅万象を神様と崇め、親しみ、感謝してつつましく生きるさまを表しています。優れた歌は800年の歳月を経ても私たちと心情を共有するのかと驚かされる思いです。
他方で、これだけ科学技術を使っても新型コロナウイルスの正体や変異の様子、挙動が正確に掴めないなか、日本での重症化患者や亡くなった方が他国に比して「少なかった」のは、医療プロフェッショナルや関係者の方々の頑張りに加え、私たちが本来有する「暮らし方」や「社会への感謝と配慮」などが影響していたのではないかと考えています。
いずれこのコロナウイルスの全貌が科学者によって明かされるでしょうが、私たちは「風邪を引かないよう注意し」「引いたら自己免疫機能が働くよう、布団にくるまって汗を出し」「恢復しても二日位しばらくはむやみやたらと歩き回らない」というような古(いにしえ)の知恵を用いて「ウイルスと共に生きる時代」を乗り切りたいものです。
医療品・日用品や食料品と、物流と販売を担った皆さんへ感謝をしながら、ひとりひとりの本分を尽くす、というのがポストコロナの時代の働き方、生き方になる気がいたします。(N.C)
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